BCGと人体実験

著者・編者美馬聰昭/著

著者は、集団予防接種による肝炎患者大量発生のメカニズムを解明し、肝炎患者集団訴訟全面勝利の中心人物となった著名な医師。

「ある報告書との出合いが、結核予防・BCGと人体実験のカラクリを解き明かした! 満洲における背蔭河、平房、新京を結ぶ七三一部隊を超えた枠組み。東京帝大伝染病研究所の犯罪と戦後に続く人脈を追究した大労作!」と坂下明彦・北海道大学教授が推薦。資料多。
戦前・戦後の日本医療史の暗黒の部分に迫る。

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発売日
サイズ・ページ数 四六判/264頁
ISBN 978-4-87154-169-5

目次

はじめに

第1章 国民病 結核

第2章 背蔭河での東郷部隊の実験

 東郷部隊
人体実験の開始
ツベルクリン反応検査について(第2報)
ツベルクリン反応検査について(第1報)
二木秀雄のインタビュー
モルモットとBCG
人とBCG
背蔭河の大脱走事件
結核の発病率と死亡率

第3章 日本脳炎の人体実験

第4章 第4性病(鼠径リンパ肉芽腫症)の研究

 実験医学雑誌の雑報
実験動物は2~3歳の男の子
癩菌の純培養

第5章 731部隊

 超音波処理BCGワクチン
石井四郎の役割

第6章 満州国衛生技術廠

 田中正稔の自殺
肺切除
東大の博士論文
癩病(ハンセン氏病)とBCGの予防効果
凍結乾燥の技術
凍結乾燥BCGワクチン

第7章 日本学術振興会第8小委員会

 傍観していた結核問題
第8小委員会の討議

第8章 伝染病研究所

 私立伝染病研究所
内務省の伝染病研究所
文部省の伝染病研究所

第9章 同仁会

第10章 国立予防衛生研究所

 国立予防衛生研究所(国立感染症研究所)
野外実験
BCG騒動


あとがき

著者略歴

美馬 聰昭(みま さとあき)

1946 年北海道生まれ。1971 年札幌医科大学卒。肝臓専門医。
1981 年11 月から肝がんの早期発見を目的に超音波による集団検診を全道で開始し、肝がんの発見率1.3%で医学界の注目をあびた。
B型肝炎は集団予防接種で広がったことを証明するために、5人の原告を集めて、1989年6月に札幌地裁に提訴した。その後、17 年の歳月をかけて最高裁で勝訴。
2013 年3 月から北海道のC型肝炎の最大の汚染地域、由仁町三川の問題解決(開業医の注射器の回し打ち)のため、国家賠償を求めて地域の人々と共に闘った。

著書
『注射器肝炎-誰も知らなかった医原病の真実』(桐書房)
『肝炎-古い常識・新しい知識』(共著、桐書房)
『知られざる肝炎-急増する肝ガンと集団予防接種』(共著、あけび書房)
『もう一つの厚生省犯罪-集団予防接種が広めた肝炎』(共著、かもがわ出版)
『検証・中国における生体実験-東京帝大医学部の犯罪』(桐書房)
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